塩加減について

鶏一途の焼鳥は、ほとんどのものが塩焼きになっています。

焼鳥のみならず、たいていの素材に関して、

素材そのものの持ち味を楽しんでいただこうと考えています。

 

ですから、塩み・甘みなどの味でなく、

もも肉ならもも肉味、肝なら肝味、トマトならトマト味、ジャガイモならジャガイモ味

と言ったような、ストレートな旨みを引き出すだけのシンプルな味付け

意識して行っています。

ので、はっきりとした塩みとか甘みをお望みの方には薄味に思えると思います。

 

薄い味は、卓上の塩を使って各人が調整できますが、

濃い味はどうしようもないので、濃いよりは薄いほうがベターだと思います。

 

塩は湿度によって、ウェットになったり、さらさらになったり、

塩の粒子も粗めだったり、使っているうちに粒子が壊れて

とても細かくなったり、1日のうちでも状態が変化して、

常に一定の塩加減をキープするのに相当に気を使います。

最高の地鶏を使い、1本200円以上のお代を頂いている以上、

塩振り1つと言えどもかなりナーバスになります。

 

営業前にいつも塩加減を確認するのに、試食をして、

営業中も時折塩を舐めたり、出具合を確認したり、

この文章を書いているのは、塩振り職人!?ではなく、

いつも横で見ている片割れのほうなのですが、

うんざりくらいにこまめにそして恐ろしく細かくチェックしているのを

よ〜く見かけます。

 

でも、その甲斐あってか、本当に絶妙な塩加減だといつも感心させられます。

ほんのちょっとでも手元が狂ったら、ものすごく味付けにブレが出ると思うし、

ちょっと薄めとかちょっと濃いめとかよく調節できるもんだと

なんでそんなことできるんだ?って横で見ていても疑問符がいっぱいなのですが、

本人に直撃すると、何年もひたすらやってるんだから、

当たり前にできるでしょっと涼しい顔・・・・・・

 

「鶏でも野菜でも、焼いていてじっと見ていたら、

『焼けたよ、焼けたよ』って何でも合図を送ってくるから分かる」

とか言って、鶏や野菜と会話が出来るちょっと変わった人だから、

多分塩とも会話していらっしゃるんでしょう。

 

と、話がズレましたが、ほんのちょっとづつ塩加減を変えた

焼鳥を何本か食べると、明らかに味が足りない⇒肉の旨みを感じる⇒

塩味を感じる⇒塩辛いと感じる と塩のちょっとの濃い薄いで全然違う

ということがよく分かります。

 

BESTの塩加減の焼鳥は、塩みが肉の旨みと一体になって、

肉の表面に塩みを感じると言うより、不思議なことに

肉の内部から旨みと一緒に塩みが出てきているかのように感じます。

それがBESTな塩加減だと思います。

 

塩味を食べるかのような塩ふりや、

風味付けでなく思いっきり辛くするための一味ふりは、

もちろん食べる人の勝手ですから、ご自由に〜♪ですけど、

見てて正直、うわぁもったいない・・・

だったら、もうちょっと安い焼鳥でよかったんじゃないの?

と思ってしまいますね。

 

まぁ、それだけ塩加減には、細心の注意を払って、

素材の味を生かすべく、日々努力していますので、

お客様が「さがり味」とか「皮味」とか堪能してくださるのは、本当に嬉しいことです。

世の中いろいろなタイプの焼鳥屋があって、

なんでもタレにどぶ付けで、タレを食べてるのかと言う感じのお店もあるけれど、

鶏一途はそれとは対極にあるなぁ〜と思います。

タレはタレで美味しいし、それを否定するつもりは全くないけど、

それに追随しても仕方がないし、自分たちが自信を持って美味しいと

思うものをお客様に食べて頂こうと言うコンセプトで店を出したので、

鶏一途は シンプル イズ ベスト で行きたいと思います。